22.12.28[プレスリリース]
日本最大級の政治・選挙プラットフォーム「選挙ドットコム」を運営するイチニ株式会社(代表取締役:高畑卓、本社:東京都港区)は、東京大学の鳥海研究室(鳥海不二夫・東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻教授)とともに、自社開発した「投票マッチング」の利用者データから有権者の関心・行動を分析する共同研究を開始いたします。
2021年以降に実施した投票マッチングの結果データを鳥海研究室に提供し、有権者が政党や候補者の訴えた公約のどこに注目したかなど、投票の意思決定に関わる要素を分析します。
弊社は投票マッチングを通じて、選挙への関心と投票意欲を喚起し、低迷する投票率の向上を目指してまいりました。今回の共同研究によって、投票マッチングの中心的な利用者層である、若年層の”無党派層”の考えを分析し、次世代の投票行動促進のための基礎データを社会に提供したいと考えております。有権者にとって身近な地方政治や行政にも関心を持ちやすくなり、より良い社会構築の一助となれば幸いです。2023年4月に分析結果の中間まとめを公表予定です。
※「投票マッチング」とは……各選挙で争点となっている設問の賛否を5段階で回答していくと、ユーザーと政党や候補者との「マッチング度」が測定できるウェブ上のシステムです。回答はスマートフォンやPCなどで利用でき、これまで累計520万人にご利用いただきました。収集データは個人情報とは紐づけられない仕組みとなっており、誰でもどこでも利用できます。
オランダ発祥のシステムで、日本では2000年代から国政選挙を中心に広がっており、大手新聞社なども実施しています。イチニは2021年衆院選や2022年参院選、2022年の沖縄県知事選や宮崎県知事選、品川区長選・再選挙、小金井市長選などで行いました。
「投票マッチング」に基づく有権者の投票行動分析に関する共同研究
日本では投票率が年々低下傾向にあり、直近の国政選挙だった2022年参議院議員選挙では約52.1%でした。特に30代以下の若年層の投票率は他世代よりも低水準です。一方で、日本で2013年4月に「ネット選挙」が解禁されて以来、投票先を選ぶための情報源としてインターネットを利用する割合は増加傾向にあります。明るい選挙推進協会の最新調査によると、18~29歳では約42%がネットを活用しており、テレビ、新聞に次ぐ主要な媒体になりつつあります。
出典:公益財団法人明るい選挙推進協会 第49回衆議院議員総選挙全国意識調査(2022年3月発行)
主な研究テーマは、計算社会科学に基づく社会システムの設計と人工知能技術の社会応用。社会や集団など人が大勢集まることによって構成されるシステムを対象として、マイニング(ビッグデータから意味のある情報を抽出する技術)、モデリング(社会の状態を仮想空間に再現し、シミュレーションを行うこと)、デザインを研究の柱としています。最近では、炎上やデマ分析と対策、ニュース閲覧行動の分析など情報空間でのリスク低減手法の開発などを題材に、社会とメディアの関係性を探る研究などを進行しています。
年間2200万ユーザー(2021年実績)が利用する政治・選挙プラットフォーム「選挙ドットコム」を運営し、国内の選挙情報や立候補者の情報をデータベース化し管理しています。政治・選挙プラットフォームを構築し、情報の透明性を保つことで、有権者のみなさまがより政治に参加しやすい環境づくりを支援しています。その他、地方議員向けの勉強会なども実施し、官民学の連携による多様なネットワークを創出し、オープンな場での議論により、イノベーションを促進します。
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